運動会で膝を痛める人たち

2026年10月11日

昔は、10月といえば運動会シーズンでした。

今から約20年前、私が柔道整復師として働き始めた頃、勤務先の整形外科には、この時期になると運動会で怪我をした患者さんがよく来院されていました。

特に印象に残っているのが、保護者参加の競技で怪我をするお父さんたちです。

普段はほとんど運動をしていないのに、子どもの前で張り切って全力疾走。

その結果、太ももやふくらはぎの肉離れを起こしたり、転倒して膝を痛めたり。

運動会で肉離れするお父さんと、心配する子供

当時は、そんな患者さんが珍しくありませんでした。

ところが、最近は運動会で怪我をしたという患者さんが、以前ほど来院されなくなりました。

もちろん、久しぶりに運動をして体を痛める方は、今でもたくさんいらっしゃいます。

ただ、そのきっかけが「子どもの運動会」というケースは少なくなったように感じます。

その背景には、運動会のあり方が変わってきたことが関係しているのかもしれません。

以前は10月に開催されることが多かった運動会ですが、最近は春に開催する学校も増えています。

また、保護者が参加する競技も少なくなり、大分市の学校では午前中で終了する運動会が一般的になっています。

こうした変化に伴い、大人が運動会で体を動かす機会も減りました。

一方、11月になると、大分ごとう整骨院の近くにある長浜小学校では、地域住民が参加する「長浜校区体育祭」が開催されます。

こうした地区の運動会で気になるのが、参加者の減少です。

参加する人が少ないため、一人で何種目もの競技に出なければならないことがあります。

しかも、参加者の中には高齢者も少なくありません。

普段はそれほど運動をしていない方が、短時間に何度も競技へ参加する。

その結果、膝を痛めて大分ごとう整骨院へ来院される方がいらっしゃいます。

参加者が減ったことで、一人ひとりが出場する競技数が増え、身体への負担も大きくなっています。

地域の運動会では、そんな問題も起きているように感じます。

実際に来院される方のお話を伺うと、それまで膝に痛みがなかったというケースも少なくありません。

では、なぜ運動会をきっかけに痛みが出るのでしょうか。

高齢者の場合、自覚症状がなくても、膝関節には加齢に伴う変化が生じていることがあります。

例えば、

  • 半月板の変性
  • 関節軟骨の摩耗
  • 大腿四頭筋などの筋力低下

などです。

こうした変化があっても、普段の生活では痛みを感じない方もいらっしゃいます。

しかし、運動会では急な方向転換や踏ん張り、しゃがみ込みなど、日常生活とは異なる負荷が膝に加わります。

さらに、何種目も続けて参加すれば、その負担は大きくなります。

その結果、これまで症状のなかった変形性膝関節症による痛みが現れたり、半月板損傷が生じたりすることがあります。

また、走ったり踏ん張ったりする動作を繰り返すことで、膝の内側にある腱の付着部に負担がかかり、鵞足炎を起こす場合もあります。

そのほか、競技中に膝をひねったり、転倒したりすることで、靱帯などを傷める膝関節捻挫が生じることもあります。

運動会で膝を痛めないために

久しぶりに運動する方、特に高齢者には、次のような点に気をつけていただきたいと思います。

  • 競技前にはウォーキングや軽い体操などで体を動かしておく(ウォーミングアップ)
  • 全力で走らない・頑張らない
  • 競技の合間には十分な休憩を取る
  • 膝に違和感や痛みが出たら、無理に次の競技へ参加しない
  • 可能であれば、参加する競技数を調整する

また、運動会の直前だけでなく、普段からウォーキングや筋力トレーニングなどを続けておくことも大切です。

運動会(障害物競走)を楽しむ高齢者

地域の運動会は、世代を超えて交流できる貴重な機会です。

だからこそ、参加する人の年齢や体力に合わせて、無理なく楽しめる運動会であってほしいと思います。

大分ごとう整骨院では、膝の痛みに対して、徒手検査やエコーなどで状態を確認し、お悩みに応じた施術を行っています。

運動後に膝の痛みや腫れが続く場合には、お早めにご相談ください。

文責

大分ごとう整骨院

院長 後藤佑輔

【保有国家資格】柔道整復師・柔道整復師専科教員・社会福祉士

【所属】医療法人社団 栗原整形外科 宏友会

日本柔道整復師会

大分県柔道整復師会

日本超音波骨軟組織学会

関連記事