太もも打撲(モモカン)
このようなお悩みはありませんか?

- サッカーで相手の膝が太ももに入った
- 太ももを強く打った直後、脚に力が入らなくなった
- 太ももが腫れて痛い
- 膝を曲げると太ももが痛く、かかとがお尻につかない
- 数日経っても太ももの硬さや痛みが残っている
スポーツ中に相手選手の膝などが大腿部(太もも)に強く当たり、激しい痛みが出ることがあります。
特にサッカーやラグビーなど、選手同士の接触が多い競技でみられるケガです。
太ももを強く打撲することを俗にモモカンと呼び、地域によってはモモカツやモモチ、アメリカではチャーリーホース(charley horse)などの呼び名があります。
モモカンは「単なる打撲」と思われがちですが、強い鈍的外力が加わると筋肉の中で出血して血腫ができたり、膝を十分に曲げられなくなったりすることがあります。
また、骨化性筋炎と呼ばれる状態につながることもあるため注意が必要です。
スポーツへの早期復帰を目指すためには、受傷直後からRICE療法などの応急処置を行い、筋肉内の出血や腫れをできるだけ抑えることがポイントです。
※本ページで解説する『太もも打撲(モモカン)』は、直接的な鈍的外力によって筋肉が損傷するmuscle contusionを指します。
太もも打撲(モモカン)の症状
モモカンでは、打撲した部分の痛みだけでなく、筋肉の損傷の程度によってさまざまな症状が現れます。
代表的な症状は、
- 脚に力が入りにくい
- 膝を曲げたときの痛み・可動域制限
- 太ももの張りや硬さ
などです。
強い打撲では、受傷直後よりも数時間経ってから腫れや痛みが増してくることもあります。
脚に力が入らない
強いモモカンを受けると、その場に倒れ込み、しばらく立ち上がれないことがあります。

太ももの前面にある大腿四頭筋は、立つ・歩く・走る・ジャンプするといった動作で、膝を支える重要な役割を担っています。
この大腿四頭筋に突然強い衝撃が加わると、強い痛みや反射的な筋肉の緊張などによって筋肉がうまく働かなくなり、一時的に脚へ力を入れにくくなることがあります。
スポーツ経験者であれば、「モモカンを食らった瞬間、脚に力が入らなくなった」という経験がある方も多いのではないでしょうか。
膝を曲げにくい
モモカンの程度を判断するときに重要なのが、膝をどのくらい曲げられるかです。
大腿四頭筋は膝を曲げると引き伸ばされるため、筋肉を強く打撲していると、膝を曲げた際に太ももの痛みが強くなります。
さらに、打撲後に生じる筋肉の緊張や腫れ、筋肉内の血腫なども膝の動きを妨げる原因になります。
大腿四頭筋打撲では、膝屈曲角度や歩様、圧痛などをもとに、重症度を分類する方法があります。

※この分類の信頼性には疑問を示す報告もあり、競技復帰までの日数にも幅があるため、あくまで目安となります。
⚠️ 要注意!こんな時は病院へ
モモカンを受けた直後は何とか歩けていても、数時間経ってから太ももの腫れや痛みが強くなることがあります。
打撲によって筋肉や血管が損傷すると、筋肉内で出血が起こり、時間の経過とともに血液がたまって血腫を形成することがあります。
血腫が大きくなると、太ももの張りや痛みが増し、膝も曲げにくくなります。
また、強い打撲では、まれに筋肉内の圧力が高まるコンパートメント症候群を起こしたり、その後の経過で骨化性筋炎につながったりすることもあります。
Q. コンパートメント症候群とは?
A. コンパートメントとは、筋肉や血管、神経などが筋膜に囲まれて収まっている区画のことです。コンパートメント症候群は、筋肉内の出血や腫れによって、この区画内の圧力が異常に高くなった状態です。前腕の屈側部や下腿部に多くみられます。血流や神経が障害される危険があるため、強い痛みや腫れ、しびれなどがみられる場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。

出典:『解剖学・改訂第2版』医歯薬出版株式会社,p.114 図2・118
モモカンは「ただの打撲」と思われがちですが、強い腫れや痛みをそのままにしていると、膝の動きが悪くなったり、競技復帰が遅れたりすることがあります。
特に、
- 時間が経つにつれて腫れや痛みが増している
- 膝が曲がりにくくなっている
- 太ももが硬く張ってきている
といった場合には、「そのうち治るだろう」と我慢せず、早めに医療機関を受診してください。
太もも打撲(モモカン)の原因
モモカンは、太ももに直接強い鈍的外力が加わることで発生します。
特に多いのが、サッカーでボールを競り合った際などに、相手選手の膝が太ももに入るケースです。

また、ラグビーやバスケットボールなどの接触プレーのほか、バイク事故や自転車事故などの交通事故による転倒でも起こることがあります。
太ももの前面には、大腿四頭筋という大きな筋肉があります。
相手選手の膝などが強く当たると、大腿四頭筋が外から加わった力によって大腿骨との間で圧迫されます。
その結果、筋線維や筋肉内を走る細かな血管が損傷し、出血や腫れが生じます。
強い打撲では筋肉内に血液がたまり、血腫が形成されることもあります。
筋肉内にできた血腫が大きいほど、痛みや腫れ、膝の可動域制限が強くなることがあります。
そのため、受傷直後はできるだけ血腫を大きくしないことが重要です。
また、回復過程で損傷した部分に硬さが残ることもあります。
無理にスポーツを続けたり、痛みを我慢して強く揉んだりするのではなく、損傷の程度や経過を確認しながら施術を進めていく必要があります。
注意したい骨化性筋炎
強い大腿部打撲のあとに注意したい合併症の一つが、骨化性筋炎です。
骨化性筋炎とは、打撲した筋肉の中に骨のような組織が形成される状態です。

大腿四頭筋は骨化性筋炎が起こりやすい部位の一つです。
すべてのモモカンで起こるものではありませんが、
- 血腫が大きい
- 膝の可動域制限が強い
- 一度軽くなった痛みが再び強くなってきた
- 数週間経っても太ももの腫れや硬さが残っている
- 膝が以前より曲げにくくなってきた
といった場合には注意が必要です。
また、受傷後早期に無理なストレッチやマッサージ、運動などを行うことも、発症リスクを高める可能性があります。
症状の経過から骨化性筋炎が疑われる場合には、医科をご紹介します。
太もも打撲(モモカン)の施術
モモカンは、受傷してからどのくらい時間が経過しているのか、筋肉内の出血や腫れがどの程度あるのかによって対応・施術が異なります。
RICE療法
モモカンでは、受傷直後の応急処置として、
Rest(安静)
Ice(冷却)
Compression(圧迫)
Elevation(挙上)
の頭文字をとったRICE療法が広く知られています。
モモカンでは、これに加えて、受傷後できるだけ早い段階で膝を曲げた状態にして患部を圧迫する方法が用いられます。
膝を曲げることで大腿四頭筋を伸ばした状態にし、血腫が広がるスペースを小さくするとともに、治癒過程で筋肉が短縮するのを防ぐことが目的です。

痛みなく可能な場合には、膝を約120°曲げた状態で圧迫・冷却します。
エコーで筋肉や血腫を確認
大分ごとう整骨院では、必要に応じて超音波画像観察装置(エコー)を使用します。
モモカンでは、
- どの筋肉を損傷しているのか
- 血腫の有無や大きさ
などを確認する際に役立ちます。
特に強いモモカンでは、大腿四頭筋の深部にある中間広筋が損傷し、筋肉内に大きな血腫が形成されることがあります。
そのため、見た目や触察だけでなく、エコーを用いて筋肉の内部でどのような損傷が起きているのかを確認することも重要です。
ラジオ波温熱施術
受傷から時間が経過し、出血や腫れの状態を確認したうえで、ラジオ波による温熱施術を行います。

強い大腿部打撲によって大きな血腫が形成された場合、その後の修復過程で線維性の瘢痕組織が形成され、筋肉の柔軟性や周囲組織との滑走性が低下することがあります。
その結果、太ももの張り感や動き始めの痛み、膝の曲げにくさなどが残る場合があります。
ラジオ波は、身体の深部まで温めることができる温熱施術です。
筋肉内の温度を約40℃まで高めることで、コラーゲン線維を含む組織が伸びやすい状態になり、筋肉の柔軟性や関節可動域の改善を図ります。
超音波療法
超音波療法は、損傷した筋肉など狙った部位に対して、局所的に超音波を照射できることが特徴です。

超音波療法には、超音波の振動によるミクロマッサージ効果と、組織を深部から温める温熱作用があります。
連続波は温熱作用を目的として使用し、パルス波は温度上昇を抑えて照射できるため、受傷後の急性期にも用いられます。
詳しくはこちら→超音波療法
圧力波(拡散型衝撃波)療法
モモカンでは、筋肉内に血腫が形成され、その後の修復過程で線維性の瘢痕組織や筋肉の硬さ(筋硬結)が残ることがあります。
大分ごとう整骨院では、受傷から時間が経過しても太ももの硬さや痛みが残っている場合などに、瘢痕組織や筋硬結がみられる部位を狙って圧力波(拡散型衝撃波)を照射することがあります。
包帯・テーピング
必要に応じて、患部を圧迫するための包帯やスポーツ復帰をサポートするためのテーピングを行います。
試合や練習が近い場合には、ご自宅でも対応できるようテーピング方法をお伝えしています。
太もも打撲(モモカン)でお悩みの方へ
モモカンは、軽いものであれば比較的早くスポーツへ復帰できることもあります。
一方で、強く打撲して筋肉内に大きな血腫ができている場合には、膝の可動域が大きく制限されたり、回復まで時間がかかったりすることがあります。
時間が経っても痛みや硬さが改善しないといった場合には、早めに状態を確認することをおすすめします。
大分ごとう整骨院では、エコーで確認しながら、症状に応じてラジオ波・超音波・圧力波などを使い分け、スポーツ復帰までサポートします。
サッカーやラグビー、交通事故などで太ももを強く打撲した際は、お気軽にご相談ください。
文責
大分ごとう整骨院
院長 後藤佑輔
【保有国家資格】柔道整復師・柔道整復師専科教員・社会福祉士
太もも打撲(モモカン)についてよくあるご質問 FAQ
Q1. モモカンは何日くらいで治りますか?
打撲の程度によって異なりますが、競技復帰までの平均期間は、軽症で約1週間、中等度で約2か月、重症で約2か月半とする報告があります。
ただし、日数には幅があり、あくまで目安です。
痛み、腫れ、膝の可動域、筋力、実際のスポーツ動作などを確認することが大切です。
Q2. モモカンを受けた直後は冷やした方がいいですか?
はい。
受傷直後で出血や腫れが生じている時期には、RICE療法を行います。
大腿四頭筋打撲では、可能であれば膝を曲げた状態で患部を冷却・圧迫する方法も用いられます。
Q3. モモカンは揉んだ方が早く治りますか?
いいえ。
受傷直後に強く揉むことはおすすめできません。
筋肉内で出血している時期に強い刺激を加えると、症状を悪化させたり、骨化性筋炎を惹起する原因となることがあります。
受傷からの期間や血腫の状態を確認しながら、適切な処置・施術を選択することが大切です。
Q3. モモカンは病院を受診した方がよいケースもありますか?
はい。
非常に強い腫れや痛みがある、体重をかけられない、膝をほとんど動かせない、しびれなどの神経症状がある場合には、骨折や重度の筋損傷、コンパートメント症候群などの可能性があるため、速やかに医科を受診してください。
また、痛みや膝の曲げにくさが長く続く場合は、骨化性筋炎などが疑われます。
当整骨院にご来院された場合も、こうした症状が認められれば、医科での診察をご案内いたします。


