腸脛靱帯炎(ランナー膝)
このようなお悩みはありませんか?

- ランニングをすると膝の外側が痛くなる
- 走り始めは大丈夫だが、しばらく走ると膝が痛くなる
- マラソンで走る距離を増やしてから膝が痛くなった
- 下り坂を走ると膝の外側に痛みが出る
- 病院でランナー膝と言われたが、なかなか改善しない
腸脛靱帯炎は、ランニングなどによって膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで、膝の外側に痛みが生じるスポーツ障害です。
特にランナーに多くみられることから、一般的にはランナー膝(ランナーズニー)とも呼ばれています。
腸脛靱帯は、骨盤付近から太ももの外側を通り、膝を越えて脛骨までつながる非常に強い組織です。

ランニングでは膝の曲げ伸ばしを何百回、何千回と繰り返します。
そのため、1回ごとの負担は小さくても、走る距離や頻度が増えることで膝の外側に繰り返しストレスが加わり、痛みが生じることがあります。
特に、
- 最近ランニングを始めた
- マラソン大会に向けて走る距離を増やした
- 久しぶりに長い距離を走った
など、ランニングの距離や頻度が急に増えたことをきっかけに腸脛靱帯炎を発症するケースが多くみられます。

初期には「走っていると少し痛い」程度でも、そのまま無理をしてランニングを続けていると、徐々に短い距離でも痛みが現れるようになり、さらに症状が強くなると日常生活でも膝の外側に痛みを感じることがあります。
腸脛靱帯炎(ランナー膝)の症状
腸脛靱帯炎の代表的な症状は、膝の外側の痛みです。
特に、大腿骨外側上顆と呼ばれる、膝関節より少し上にある骨の出っ張り付近に痛みが現れやすいことが特徴です。
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腸脛靱帯炎の初期では、普段の生活ではほとんど痛みがなく、
- 長い距離を走ったとき
- ランニングの後半
- 下り坂を走ったとき
- ランニング後
など、一定の距離を走ったところから徐々に痛みが現れることがあります。
腸脛靱帯炎は、安静にすると症状が軽減することが多いため、「もう治ったかな?」と思ってランニングを再開すると、再び同じ場所に痛みが出ることがあります。
このように、休むと良くなるものの、走り始めるとまた痛くなるという繰り返す症状にお悩みの方も少なくありません。
近年では、健康づくりや趣味でランニングを始める方や、フルマラソンへの参加を目標に走る方も多く、40代・50代をはじめとした中高年のランナーから、膝の外側の痛みについてご相談を受けることも増えました。

特に、走り始めたばかりの方や、急に走行距離を増やした方は要注意です。
膝の外側に痛みを生じる疾患や外傷は、腸脛靱帯炎だけではありません。
外側半月板損傷、外側側副靱帯損傷、大腿二頭筋腱の障害、膝窩筋周辺の障害、変形性膝関節症などでも、膝の外側に痛みが現れることがあります。
ただし、それぞれ痛みが出やすい場所には違いがあるため、まず患部をよく触察し、どこを押したときに痛みが出るのか(圧痛点)を確認することで、痛みを生じている組織をある程度絞り込むことができます。
腸脛靱帯炎では、大腿骨外側上顆付近に圧痛がみられます。
さらに、腸脛靱帯炎が疑われる場合には、グラスピングテスト(Grasping test)を行うことがあります。
Q. グラスピングテストとは?
A. 腸脛靱帯炎(ランナー膝)が疑われる際に用いられる徒手検査の一つです。仰向けになった状態で膝を曲げ、大腿骨外側上顆付近の腸脛靱帯を圧迫しながら、ゆっくりと膝を伸ばしていきます。このとき膝外側に痛みが誘発されるかを確認します。腸脛靱帯炎では、膝の屈曲30°付近で痛みが誘発されることが多いとされています。
大分ごとう整骨院では必要に応じて超音波画像観察装置(エコー)も使用します。
エコーでは、腸脛靱帯の肥厚や、腸脛靱帯と大腿骨外側上顆の間にある脂肪組織などの腫れ(浮腫)や液体貯留がみられることがあります。
腸脛靱帯炎(ランナー膝)の原因
腸脛靱帯は、骨盤の外側から太ももの外側を走り、膝を越えて、脛骨の外側にあるGerdy結節(ガーディ結節)に付着する強い結合組織です。

腸脛靱帯炎については、以前から
膝の曲げ伸ばしに伴って腸脛靱帯が大腿骨外側上顆の上を前後に移動し、骨と繰り返しこすれることで炎症が起こる
と説明されてきました。
そのため、腸脛靱帯摩擦症候群と呼ばれることもあります。
しかし現在では、この摩擦だけで病態を説明する考え方は見直されつつあります。
腸脛靱帯は、太ももの外側を自由に動く紐のような組織ではありません。
大腿筋膜が外側で厚くなった組織であり、大腿骨とも強くつながっています。
Q. 大腿筋膜とは?
A. 大腿筋膜は大腿の外側では並行に並ぶ線維からなる丈夫な結合組織層であって、内側へ向かうにつれて薄くなる。
外側にある線維束は特に腸脛靱帯として厚くなり、きわ立ってみえる。この腸脛靱帯へは大臀筋と大腿筋膜張筋が入り込む。(Werner Platzer著,平田幸男訳『分冊解剖学アトラスⅠ 運動器』第6版,文光堂,2011年,p.254より引用)

そのため、膝を曲げ伸ばしするたびに腸脛靱帯全体が大腿骨外側上顆の前後を大きく移動し、骨の上を繰り返し「こすっている」という単純な構造ではないことが、解剖学的な研究から指摘されています。
現在では、膝の曲げ伸ばしによって腸脛靱帯の緊張が変化すると、腸脛靱帯が大腿骨外側上顆方向へ押し付けられ、その間にある脂肪組織などに繰り返し圧迫ストレスが加わることが、痛みの発生に関係すると考えられています。
ランニングでは膝の曲げ伸ばしを何度も繰り返すため、大腿骨外側上顆周辺への圧迫ストレスが蓄積しやすく、腸脛靱帯炎がランナーに多くみられる理由の一つとなっています。
特に、
- 急にランニングの距離を増やした
- 練習日数を増やした
- スピード練習を増やした
- 坂道を走ることが増えた
- 久しぶりにランニングを再開した
など、ランニングの距離や練習量が変化したことをきっかけに発症することがあります。
大腿骨外側上顆の突出の程度など、生まれつきの骨格的な特徴も、腸脛靱帯周辺に加わる負荷に影響する可能性があります。
また、股関節周囲の筋力や、ランニング中の股関節・膝関節の動きなども、腸脛靱帯周辺に加わる負荷と関係すると考えられています。
ランニングでは、着地後に片脚で身体を支えるフェーズがあり、このとき、股関節の内転(太ももが身体の内側へ入る動き)が大きくなることや、膝関節の内旋(大腿骨に対して脛骨が内側へ捻る動き)などと、腸脛靱帯炎との関連が報告されています。

腸脛靱帯炎(ランナー膝)の施術
まず患部をよく触察し、どの部分を押したときに痛みが出るのか(圧痛点)を確認します。
膝の曲げ伸ばしやグラスピングテスト、片脚での動作なども行い、どのような動きで痛みが再現されるのかを確認します。
エコー観察
必要に応じて超音波画像観察装置(エコー)を使用します。
エコーでは腸脛靱帯や、その周辺組織の状態をリアルタイムで観察することができます。

圧痛点や症状が出る動作などの所見と合わせて状態を確認していきます。
ラジオ波による温熱施術
大分ごとう整骨院では、症状や身体の状態に応じてラジオ波(ラジオスティム)を使用します。
ラジオ波は、身体の深部に温熱を発生させる施術機器です。
腸脛靱帯だけを狙うのではなく、大腿部外側や臀部など、腸脛靱帯の緊張に関係する筋肉や周辺組織にも施術を行います。
特に、筋肉の緊張が強くなっている場合などに使用し、温熱を加えながら周辺組織の緊張を和らげていきます。
圧力波による施術
圧力波(拡散型衝撃波)は、機器の先端から発生する強い圧力を患部に繰り返し当てる施術です。
腸脛靱帯炎では、大腿骨外側上顆付近の圧痛が強い部分を確認しながら、1回の施術で約2,000発の圧力波を照射します。
圧力波には、痛みを感じ取る自由神経終末に作用して痛みを感じにくくする効果と、患部に機械的な刺激を加えることで組織の修復反応を促す効果が期待できます。
特に、痛みが長期間続いている場合などに使用します。
刺激の感じ方には個人差があるため、患者様の反応を確認しながら強さを調整します。
動画は、腸脛靱帯炎を想定したモデル(当整骨院 柔道整復師 藤澤)を使って、腸脛靱帯を靭帯をエコーで観察する様子と圧力波を実際に当てている様子です。
超音波療法

超音波療法は、人の耳には聞こえない高い周波数の音波(振動)を利用して患部へ刺激を加える物理療法です。
急性期と慢性期では組織の状態が異なるため、症状に合わせて連続波・パルス波などを使い分けます。
腸脛靱帯炎(ランナー膝)でお悩みの方へ
腸脛靱帯炎は、初期には「走っていると少し痛いけれど、走れないほどではない」というケースが多くみられます。
そのため、マラソン大会や試合が近いと、
「走っているうちに治るだろう」
「もう少しだけ練習しておこう」
と無理をしてしまいがちです。
しかし、痛みを我慢しながら同じ負荷を繰り返していると、徐々に痛みが出るまでの距離が短くなり、十分な練習ができなくなることがあります。
「走ると膝の外側が痛い」
「休めば治るけれど、走るとまた痛くなる」
という状態が続いている方は、早めに大分ごとう整骨院にご相談ください。

文責
大分ごとう整骨院
院長 後藤佑輔
【保有国家資格】柔道整復師・柔道整復師専科教員・社会福祉士
腸脛靱帯炎(ランナー膝)のよくあるご質問 FAQ
Q1. 腸脛靱帯炎はどこが痛くなりますか?
代表的なのは膝の外側、特に大腿骨外側上顆付近の痛みです。
ランニング中やランニング後に痛みが出ることが多く、初期には日常生活ではほとんど症状を感じない場合もあります。
Q2. 腸脛靱帯炎になったらランニングを休んだ方がいいですか?
腸脛靱帯炎では、早い段階でランニングなどの原因となっている運動を一時的に休止することをおすすめします。
症状が軽度であれば、走行距離やペース、練習頻度などを調整しながら運動を継続できる場合もありますが、走るたびに痛みが出る場合には、無理をせず一度休むことが大切です。
Q3. 腸脛靱帯をストレッチすれば治りますか?
腸脛靱帯炎に対して、ストレッチを行うことはあります。
ただし、腸脛靱帯は非常に強い結合組織であり、一般的なストレッチによって腸脛靱帯そのものを大きく伸ばせるわけではありません。
そのため、大分ごとう整骨院ではストレッチだけで改善を目指すのではなく、症状に応じてラジオ波や圧力波(拡散型衝撃波)などの施術も併用します。
また、ランニングフォームや走行距離、練習頻度など、膝に負担がかかっている要因も含めて考えることが大切です。
Q4. 膝の外側が痛ければ腸脛靱帯炎ですか?
いいえ。
外側半月板損傷、外側側副靱帯損傷、大腿二頭筋腱の障害、膝窩筋周辺の障害、変形性膝関節症などでも膝の外側に痛みが出ることがあります。
特に「転んだ」「捻った」「ぶつけた」など明確なケガをきっかけに強い痛みや腫れが出た場合には、腸脛靱帯炎以外の運動器疾患・外傷も考える必要があります。
Q5. エコーで腸脛靱帯炎はわかりますか?
エコーでは、腸脛靱帯やその周辺の軟部組織の状態を観察することができます。
腸脛靱帯の肥厚や周辺組織の変化などがみられる場合がありますが、大分ごとう整骨院で行うエコーは、あくまで患部の状態を観察し、施術を行う際の参考とするためのものであり、疾患の診断を行うものではありません。
Q6. マラソン大会が近いのですが施術できますか?
施術は可能です。大会に向けて、その時点でできる限りの施術を行います。
ただし、大会までの日数や症状の程度によっては、短期間ですべての痛みを取り除くことが難しい場合もあります。
「大会まであと数日」という段階でご相談いただくよりも、ランニング中に膝の外側へ違和感や痛みが出始めた段階で、早めに状態を確認しておくことをおすすめします。



