足関節靭帯損傷(足首の捻挫)

このようなお悩みはありませんか?

  • 足首をひねった
  • 足首が腫れている
  • 捻挫の痛みが長引いている
  • 捻挫のリハビリをしたい
  • 早くスポーツに復帰したい

多くの方はスポーツなどをしていて足首(足関節)を捻った経験があるかと思います。

怪我をした時に皆さんがまず最初に気にされることは、

『骨は折れてないかな?』

ということではないでしょうか。

病院に行ってレントゲンを撮って、骨に異常がなければ

「軽症で済んでよかったあ〜」

と、胸をなで下ろすことでしょう。

しかし、足首の捻挫を軽くみていると、後遺症に悩まされるケースもあります。

『捻挫』というのは、医学的に『靭帯損傷』のことを言います。

靭帯損傷の程度は大まかに3つのタイプに分けられます。

  • Grade I :靭帯が伸びた状態
  • Grade II :靭帯の部分断裂
  • Grade III :靭帯の完全断裂

これらは治りやすさを示すものではなく、あくまで靭帯の状態を示すものです。

つまり、Grade Iの状態でもきちんと処置が施されていなければ、足関節に『緩み』を後遺したり、炎症が長引いてなかなか痛みが取れない状態になってしまいます。

『捻挫は骨折よりも治りが悪い』

とある有名な外科医はこのように言いました。

「捻挫くらい放っておいても治る」というのは大きな誤りと言って良いでしょう。

捻挫を軽くみてはいけないのです。

足首の捻挫を放っておくと・・・

では、足首の捻挫を放っておくと、後々どのような後遺症が現れるのでしょうか?

最も代表的な後遺症に『足関節不安定症』というものがあります。

足首の靭帯損傷の多くは、内返し捻挫をした時に外側靭帯が伸ばされて発生します。

外側靭帯には前方から

 

  • 前距腓骨靭帯(ぜんきょひじんたい)

前距腓靭帯を示す画像

 

  • 踵腓靭帯(しょうひじんたい)

踵腓靭帯を示す画像

 

  • 後距腓靭帯(こうきょひじんたい)

後距腓靭帯を示す画像

という靭帯群があり、足関節に安定性を付与しています。

内返し捻挫をした時には、まず前距腓靭帯や踵腓靭帯に伸長するストレスが加わります。

さらに内返しの力が強ければ後距腓靭帯にも伸長ストレスが波及します。

動画でも解説していますのでぜひご覧ください。

 

動画尺 3:56

動画尺 2:39

 

先述した靭帯損傷のGrade IIIでは、全ての靭帯が断裂している状態です。

下の外見写真では、外側(外くるぶし側)の皮下出血斑だけでなく、内側(内くるぶし側)の皮下出血斑も確認できます。

皮下出血斑(青あざ)は、損傷した靭帯からの出血を示すもので時間経過と共に下方へ(踵部へ)移行していきます。

足関節靭帯損傷GradeⅢの外見写真(外側からの外見)

 

足関節靭帯損傷GradeⅢの外見写真(内側からの外見)

もし、この状態を放置してしまえば足関節がグラグラで不安定な状態になってしまい、

捻挫がクセになったり、足の痛みや疲労感などを強く感じるようになります。

そのような状態を、足関節不安定症と言います。

 

その他、足首の捻挫で靭帯を痛めた時に、同時に『腓骨筋腱支帯:ひこつきんけんしたい』という部位を損傷する事があります。

腓骨筋腱支帯の部位を示す画像

腓骨筋腱支帯

この腓骨筋腱支帯は、外くるぶしの後方に存在する腓骨筋腱がずれないように留めておく役割がある組織です。

足首の捻挫をした際に、靭帯だけでなく同時に腓骨筋腱支帯の損傷を起こすと、腱が本来あるべき位置から逸脱(脱臼)してしまいます。

この状態を『腓骨筋腱脱臼』と言い、稀に足首の捻挫に合併する事があります。

 

動画尺 0:07(腓骨筋腱脱臼の患者さん)

腓骨筋腱脱臼が生じてしまうと、足関節の曲げ伸ばしをした時に、腱は逸脱(外れる)と復位(戻る)を繰り返し、外くるぶしの部分で骨と擦れあうことで痛みの原因となる場合があります。

子供の捻挫は要注意!

また、特に注意が必要なのは子供の足関節捻挫です。

子供の腓骨下端部は軟骨を多く含んでいるため、内返し捻挫をした時に靭帯の付着部で剥離骨折を起こすことがあります。

病院でレントゲン検査を行なっても、軟骨部分はレントゲンには写りません。

また、撮影方法による問題で骨折を見つけにくいこともあります。

詳細は動画で説明していますのでぜひご覧ください。

 

動画尺 3:57

ここでもし、『軽い捻挫』の診断がなされ、施術を受けずに過ごしてしまうと剥離した骨片がくっつかないまま足首の緩みを後遺してしまいます。

子供の捻挫では、数年後に足関節不安定症を発症しているケースもあるのです。

足関節靭帯損傷の後遺症を残さないために

受傷直後にしっかりと施術や固定を行うことが必要です。

怪我をした時の処置法としてRICE療法というものがあります。

(RICE療法についての詳細はこちら

受傷直後には損傷した靭帯や軟部組織から出血が起こります。

この出血が、いわゆるタンコブのように限局した塊(血腫)を形成します。

 

 

血腫には損傷部を修復する役割があるのです。

ですから、靭帯損傷の施術や固定はこの血腫があるうちに開始されることが理想的です。

特にGrade II〜IIIでは足関節不安定症に移行しやすいので早めに施術を行いましょう。

足首の捻挫でお悩みの方は、大分ごとう整骨院までご相談ください。

損傷の程度に合わせてギプス固定などの施術も行なっています。

 

下の動画ではギプスを巻くところ、トリミング、ギプスカッターを使って除去するところ、をまとめています。

ぜひ参考にしてみてください。

 

動画尺 15:31

 

また、靭帯損傷の程度に応じて取り外し可能な固定を行うこともあります。

固定力は先にご紹介したギプスよりもやや劣りますが、軽くて患者さんも管理が楽です。

こちらも併せて参考にしてみてください。

 

動画尺 8:14

固定が外れた後は、しっかりと手技療法・リハビリを行なう必要があります。

足関節の手技療法を行なっている写真

手技療法

 

リハビリは足関節周囲筋のトレーニングや、神経筋促通トレーニングを行ない『再発させない・クセにならない』正常な足関節の機能を取り戻します。

足関節周囲筋トレーニングで背屈運動を行なっている写真

足関節周囲筋トレーニング・背屈

足関節周囲筋トレーニングで外反運動を行なっている写真

足関節周囲筋トレーニング・外反

足関節周囲筋トレーニングで内反運動を行なっている写真

足関節周囲筋トレーニング・内反

足関節周囲筋トレーニングで底屈運動を行なっている写真

足関節周囲筋トレーニング・底屈

バランスディスクを使用した神経筋促通トレーニングを行なっている写真

バランスディスクを使用した神経筋促通トレーニング