基本包帯

このようなお悩みはありませんか?

  • 包帯を巻き直したいけど巻き方がわからない
  • 膝の包帯を自分でも巻けるようになりたい
  • 怪我をした家族に包帯を巻いてあげたい
  • 包帯がすぐ緩んだり、ずれたりしてしまう
  • 包帯の巻き方を動画でわかりやすく学びたい

整骨院では、骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷などの外傷に対応しています。

こうした外傷の施術を行う柔道整復師にとって、包帯固定は欠かすことのできない基本技術の一つです。

同じ包帯でも、固定する部位や目的によって巻き方を使い分ける必要があり、それぞれにコツや注意点があります。

基本包帯法は、一般の方にとっても知っておくと役立つ場面があります。

実際に、整形外科や整骨院で「ご自宅でも包帯を巻いてください」と説明を受け、「そう言われても包帯の巻き方なんてわからない」とお困りの方は少なくありません。

このページでは、環行帯・螺旋帯・蛇行帯・折転帯・亀甲帯といった基本的な包帯の巻き方を、動画とあわせてご紹介します。

ご自宅で包帯を巻き直す必要がある方はもちろん、柔道整復師を目指す学生の方にも参考にしていただければ幸いです。

参考文献
社団法人 全国柔道整復学校協会・教科書委員会 編『包帯固定学』 2003

包帯実技
大分ごとう整骨院 院長 後藤佑輔(柔道整復師・柔道整復師専科教員)

患者モデル
大分ごとう整骨院 藤澤琉人(柔道整復師)

総論

包帯各部の名称

包帯には「軸」「頭」「体」「尾」など、各部の名称があります。

各部の名称を理解しておくと、動画や解説の内容が理解しやすいと思います。

包帯の持ち方

包帯をきれいに、そして均一な力で巻くためには、正しい持ち方を身につけることが大切です。

包帯の持ち方は、大きく分けて次の2種類があります。

① 親指と他の四指で巻軸部を握る持ち方

包帯は強く握りすぎず、指先で包帯の回転をコントロールしながら、転がすように巻いていきます。

包帯の持ち方①

② 親指と他の指(主に人差し指・中指)で巻軸部の両端をはさむ持ち方

巻軸部の両端を軽くはさみ、包帯を転がすように巻いていきます。

どちらの持ち方でも、持ち方が安定すると包帯に均一な張力をかけやすくなり、包帯の走行が乱れにくく、しわや緩みの少ないきれいな固定につながります。

まずは基本となる持ち方を身につけ、状況に応じて使い分けられるようになりましょう。

包帯を巻くときのポイント

包帯は適度な張力で巻くことが大切です。

強く巻きすぎると血液の循環を妨げ、しびれや痛みの原因になることがあります。

一方で、緩すぎると包帯がずれやすくなり、十分な固定力が得られません。

また、包帯にしわやねじれができないよう、常に平らに巻くことを意識しましょう。

包帯は、見た目をきれいに巻くことだけが目的ではありません。

患部を適切に保護・固定することが最も重要です。

しかし、正しく巻かれた包帯は、見た目と機能性の両方を兼ね備えていることが多く、結果として自然と美しく仕上がります。

つまり、機能性と美しさは密接に関係しています。

包帯を巻いた後の確認

包帯は「巻いたら終わり」ではありません。

巻き終えたら、きつすぎないか、しびれや痛みがないか、指先や足先の色に変化がないかを必ず確認しましょう。

少しでも違和感がある場合は、そのまま我慢せず、包帯を緩めて巻きなおすか、除去してください。

新品の包帯は洗ってから使用する

患者様の中には、「新品の包帯を開封して、そのまま巻いている」と思われている方もいらっしゃいます。

しかし実際には、多くの整骨院では新品の包帯を一度洗濯し、乾燥・巻き直しなどの準備を行ってから患者様に使用しています。

大分ごとう整骨院で行っている『包帯づくり』については、ブログで詳しくご紹介していますので参考にしてみてください。

1巻の包帯ができるまで

基本包帯法

① 環行帯(かんこうたい)の巻き方

環行帯は、包帯の巻き始めと巻き終わりに行う、最も基本となる包帯法です。

一見すると、同じ位置に包帯を重ねて巻くだけの単純な巻き方ですが、この土台がしっかりできていないと、その後どれだけ丁寧に巻いても包帯全体が緩みやすくなってしまいます。

「全ての包帯固定は環行帯で始まり、環行帯で終わる」と言われるくらい、環行帯は包帯固定の土台となる非常に重要な技術です。

② 螺旋帯(らせんたい)の巻き方

螺旋帯は、前腕や上腕、手指など、太さがほぼ一定の部位を固定・被覆する際によく用いられる基本包帯法です。

包帯を少しずつ重ねながら螺旋状に巻き進めることで、均等な圧で固定を行うことができます。

先出の環行帯で包帯がズレないように固定したあとに螺旋帯へ移ることが多く、包帯を巻き進めるうえで使用頻度の高い巻き方の一つです。

巻くときのポイント

前の層に約1/2〜1/3程度重ねながら巻くことで、均一な圧迫が得られます。

また、包帯の走行に無理に逆らわず、張力を一定に保ちながら巻くことで、緩みにくい固定になります。

巻く際は、できるだけ包帯にしわができないよう、常に平らに巻くことを意識しましょう。

巻き終わりは環行帯で固定します。

③ 蛇行帯(だこうたい)の巻き方

蛇行帯は、主に副子固定の下巻きや仮固定を行う際に用いる巻き方です。

包帯を重ねず、一定の間隔を空けながら巻いていきます。

巻くときのポイント

包帯の走行を無理に変えようとせず、包帯が「走りたがっている方向」へ素直に走らせてあげることがポイントです。

無理に進行方向を変えると、包帯にしわができたり、強く締め付けられた緊縛包帯になりやすくなります。

緊縛包帯は患者様の負担が大きいだけでなく、血液の循環を妨げる原因にもなります。

そのため、巻き終わったら「きつくないですか?」と確認するとともに、上肢では橈骨動脈、下肢では足背動脈などの末梢の脈拍を確認し、さらに爪を軽く押して離したときに、色が速やかに薄いピンク色へ戻るかを必ず確認しましょう。

最後は環行帯で固定して仕上げます。

④ 折転帯(せってんたい)の巻き方

折転帯は、前腕や下腿など、太さが変化する部位に用いる巻き方です。

螺旋帯では包帯が浮いてしまうような部位でも包帯を反転(折り返し)させながら巻き進めることで、包帯の浮きや緩みを防ぎ、身体の形状にぴったりとフィットさせることができます。

一見難しそうに見えますが、折転する位置やタイミングのコツをつかめば、包帯をよりきれいに巻けるようになります。

巻くときのポイント

折転帯のポイントは、「きれいに包むこと」です。

大切な人へプレゼントを渡すとき、きれいにラッピングした経験はありませんか?

包装紙の余った部分は、内側へ折り返してきれいに包みますよね。

折転帯を巻く時も、それと同じ考え方(意識)で巻くと上手に巻けます。

コラム|折転帯は邪道?

昔ながらの柔道整復師の先生の中には、「折転帯は邪道だ」とおっしゃる先生もいらっしゃいました。

その理由は、折転帯では包帯を折り返すため、その部分だけ包帯が重なり、圧迫が均一にならないという考え方からです。

私も学生時代は、「折転帯に頼らず、きれいに巻けるようになりなさい」と指導を受けてきました。

ただ、そのような先生方は、本当に神業と言っていいほど包帯を巻くのが上手でした。

折転帯を使わなくても、身体の形に合わせて美しく、しかも緩みのない包帯を巻くことができたのです。

私も何度も練習しましたが、簡単に真似できる技術ではありません。

だからこそ、その教えには敬意を持っています。

確かに、折転帯を使わずにきれいに巻けることこそ、柔道整復師にとっては至高なのかもしれません。

でも、それはプロの世界の話。

一般の方がご自宅で包帯を巻く機会は、一生のうちに何度もあるものではありません。

まずは折転帯を使って、患部にしっかりフィットし、機能的に問題なければ十分です。

⑤ 亀甲帯(きっこうたい)の巻き方

亀甲帯は、主に膝や肘などの屈伸運動が行われる関節部を保護・固定する際に用いられます。

関節部を中心に、包帯が中心から上下へ広がる『離開亀甲帯』と、上下から中心へ向かう『集合亀甲帯』を状況に合わせて使い分けたり、組み合わせて巻きます。

この技術により、関節の動きを妨げることなく、安定した固定を維持することが可能になります。

巻くときのポイント

包帯の走行を先読みし、「亀の甲羅」のような模様を意識しながら巻き進めることが、きれいな亀甲帯を巻くコツです。

肘は90°に曲げた状態、膝は軽く曲げた状態で巻くのが基本です。

関節を伸ばしたまま巻くと、その後の屈伸で包帯が食い込んだりする原因になります。

最後は環行帯で固定して仕上げます。