運動器エコー観察 06|上腕骨大結節骨折
2025年03月13日

ご自宅で椅子の上に立ち、電球を交換していた際に転落し、肩を負傷された方が大分ごとう整骨院に来所されました。
家庭内での怪我の中でも、このような受傷機序は多く、高所からの転落は頭部や手、肩などを強く打ちつけ大怪我に繋がる危険性があります。
特にご高齢の方は、一人で無理に作業をせず、誰かに支えてもらうか、可能であれば若い方に頼むよう心がけましょう。
来所時、利用様は疼痛のため肩を動かすことができず、昨夜は痛みで眠れなかったとのことでした。
触察では上腕骨大結節部に強い圧痛を認め、エコー観察では軟骨下骨の連続性が断たれていることが確認されました。

これらの所見から、骨折が強く疑われたため、近隣の整形外科へご紹介いたしました。(後日、紹介先より、手術を行うことになったとのお返事を頂いております。)
なお、この部位の骨折は単独で発生することは少なく、多くの場合、肩関節脱臼に伴って生じます。

大分ごとう整骨院に来所した時には脱臼は確認されませんでしたが、受傷時に一瞬だけ脱臼し、すぐに復位した可能性も考えられます。
本人が気づかないうちに自然整復されるケースもあり、その場合、肩関節周囲の軟部組織(筋腱・関節包靭帯・関節唇など)が損傷している可能性があります。
したがって、骨折のみを重視するのではなく、脱臼の既往や軟部組織の損傷にも注意を払い、適切な処置・施術を行うことが重要となります。
文責
大分ごとう整骨院
院長 後藤佑輔
【保有国家資格】柔道整復師・柔道整復師専科教員・社会福祉士